東京高等裁判所 昭和43年(行ケ)99号 判決
原告 南俊夫
被告人 東京都選挙管理委員会
〔抄 録〕
日本国憲法第二一条は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由」を保障しているのであつて、政治的な言論の自由がみとめられ政治結社の自由がみとめられる現行憲法の下においては、政治結社である政党が国会議員の選挙において選挙運動をする自由を有することは、現行憲法の保障するところであるといわなければならない。
もつとも、選挙運動の現実において、政党がその組織を動員して公認候補者の選挙運動を応援し、このため、公認候補者の選挙運動と無所属候補者の選挙運動との間に実質的にみて若干の差別が生じうるかも知れないが、公職選挙法は、国会議員の選挙その他の選挙について選挙運動期間中および選挙当日における政党の政談演説会の開催、街頭演説会の開催、ポスターの掲示、ビラの頒布、宣伝告知のための自動車の使用、連呼行為、機関誌の発行等について制限を設け(公職選挙法二〇一条の五以下参照)、能うかぎり平等な立場において選挙運動が行われるように努力し、もつて表現、結社の自由を保障する前記憲法上の要請との調整をはかつているのであつて、所論のような差別が存在するとしても、これは合理的なものとして認容されるべきである。
(三和田 鰍沢 栗山)